BtoBマーケで話題のABM(アカウントベ−スドマーケティング)とは?

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米国ではBtoBマーケティングの常識となりつつあるABM(アカウントベースドマーケティング)。日本でもABMの概念を重要視する企業は増加しています。BtoBマーケティングの担当になったばかりの方は「そもそもABMって何?」「従来の手法とどう異なるのか?」そんな疑問を抱いていることでしょう。今回はそんな担当者の方向けに、ABMについて解説します。

ABMとは?

ABMとは、ターゲット企業(以下、アカウント)を明確にし、戦略的にアプローチするためのマーケティング手法です。従来のMA(マーケティングオートメーション)を利用した“リード獲得中心型”ではなく、“アカウント中心型”で進める点がポイント。つまり、有力な見込み顧客に対して最適化されたマーケティング活動を行うべき、という考え方です。

なぜアカウントを選定する必要があるのか?理由は単純、そのほうが高い収益性を見込めるからです。直近の売上ばかりを意識すると、目先のリードを追ってしまいますが、次第に売上は頭打ちになります。しかし、平均顧客の10倍100倍もLTVが見込める企業を選定し、リソースを注いで成約に結び付ければ、長期的に大きなリターンを得られます。

ここはマーケティングの基本となるフィリップ・コトラー氏が提唱する「STP分析」とは大きく異なるポイントですね。セグメントした市場の中からターゲットグループを絞るのが定石ですが、ABMでは直接アカウントを選定するわけです。具体的には、「メーカー」でも「食品メーカー」でもなく、「日清」という具体的な社名をピックアップするイメージです。

対象とするアカウントの定義が完了したら、どうやって戦略的なアプローチをするのか?まず、自社が持ち合わせる顧客情報が一元管理されていることが前提になります。

  • Webサイトへの訪問
  • メールマガジンの登録
  • ホワイトペーパーのDL
  • 展示会での名刺交換
  • セミナーへの来席
  • 取引実績データ

などの自社が持ち合わせる顧客情報から、顧客と自社との関係性の可視化を行います。関係性の中から見えてくるアカウントへの潜在ニーズや課題を抽出することで、確度の高いアプローチや提案を部署横断的に実行していきます。

有力な見込み顧客を絞り、データを基に最適なアプローチを行う。これがABMの全体像です。

ABM流行の背景

とはいえ、ABMという考え方自体は何も目新しいものに感じなかったと思います。セールスの人間からしたら当たり前の考え方のように感じる人も多いでしょう。実は、ABMの考え方は元々マーケッター達にも、マーケティングの「あるべき姿」として理解はされていました。

それでは、なぜABMの考え方はセールス個人レベルで実行されているのに、マーケティングレベルで実行されていなかったのでしょうか?それは企業全体で、企業とのさまざまなコンタクト情報を管理・統合する高度なデータマネジメントが不可能だったからです。

しかし、2000年台になってから発達したテクノロジーの進化によって、ABMの考え方が現実味を帯びてきました。主に活躍したツールはSFA(営業支援ツール)やMAと言えるでしょう。この2つのツールにより、2つのことが実現されました。

SFAによる顧客管理

SFAによって、さまざまな部署にバラバラで保管されていた顧客データが、企業として画一的に収集・整理されていきました。今まではクローズドな情報だった営業活動の記録が残ることで、顧客情報の一元管理化が進み、顧客属性情報の精度向上に貢献しています。

MAによるナーチャリングシステムの構築

MAプラットフォームを利用することで、マーケッターがリード毎に個別のコミュニケーション戦略を取れるようになりました。具体的には、リードの行動毎にスコリングを行い、最適なコンテンツを提供する。また、アカウントの中で「1番にアプローチすべき人物」を特定する、などです。

このようなテクノロジーの発展によって、「理想論」であったABMの概念を実現できるようになったのです。

まとめ

ABMはマーケティング担当者が求める概念だったものの、実現する術が存在しなかったため実現されなかった考え方。テクノロジーの進化によって、ついにABMの概念をサポートするツールやシステムが構築されたのは喜ばしいことですね。

ただし、ABMのパフォーマンスを高めるには、コツコツとノウハウと蓄積してことが必要不可欠です。ABMの手法を素早く導入し、ノウハウを蓄積・洗練することに時間をかけられる企業が、今後勝ち残っていくのではないでしょうか?今後の展開に期待です。

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